部分的生命感に対する違和感

イーマ・サウンド®︎は医療ではない。これを繰り返し徹底して伝えています。イーマ・サウンド®︎を求めて来られる人たちの多くは自分や家族の病気治しであるという観点からいつもはお伝えしていますが、今日は違う観点からお話しさせてもらおうと思います。

イーマ・サウンド®︎の資格を取ったばかりの方々に多い質問が、「●●な症状などには何の音をかけたらいいですか?」という類のもの。正直に、私も資格を取り立ての頃はこの手の質問を松下先生に何度かしていました。ですが、やがて気づきました。それがイーマ・サウンド®︎の根幹を成す思想、理念に反するということに。

昨今では、幹細胞治療、幹細胞エステ、さらには幹細胞コスメなるものまで登場し、再生医療に大きな注目が集まっています。私も以前に細胞再生の可能性についてこのブログでも書きました。でも、私の思考は世間の再生医療とは少し違います。ES細胞やIPS細胞の名前はご存知かと思いますが、それぞれがどんなものかというのは意外と知らない方が多いのではないでしょうか?簡単に言うと、ES細胞は受精卵の胚を壊して作られるもの、IPS細胞は人工的に作られるものです。

現在、最も多く利用されているのは体性幹細胞と言って自分の脂肪細胞などから取るもの。なので、これはまだ良いというか、マシと言うかといったところですが、前述のES細胞やIPS細胞の発想そのものが身体を部分で捉えている現代医療の典型ではないでしょうか?ただでさえ専門化し、パーツとしてしか身体を捉えない医療で、そのパーツを人工的に培養して身体に戻す再生医療に明るい未来があるとは私は思えません。

そもそも細胞が分化して筋肉になる、骨になる、心臓になるなど、何になるかを決める情報がすべて最初からDNAに書き込まれているわけではないのです。それを決めるのは胚の中でいろんな細胞同士がコミュニケーションをして決められるのだそうです。つまりはすべては部分からではなく、全体性の中で決められていくということ。

では、イーマ・サウンド®︎で●●な症状には何の音をかければ良いかと考えるその思考はどうでしょう?全く身体を部分で見ているのと何ら変わりはないと思いませんか?仮に、ES細胞やIPS細胞に音をかけたらそれぞれの器官に分化するとして、それを身体に戻すことで人間の身体が機能するのでしょうか?私はそこにもっと恭しい、厳かな生命感があるように思います。